番組表
ON AIR

ニュース・スポーツ

台風被害から復旧進む屋久島 秋の観光シーズンへの影響は? 鹿児島

2024年9月19日(木) 18:26

8月、過去最強クラスの勢力で鹿児島県内を通過した台風10号により、各地で大きな被害が出ました。
国の内外から多くの人が訪れる屋久島でも、弥生杉が折れるなど、基幹産業の観光にも影響がでています。
あれから3週間、秋の観光シーズンを迎えた屋久島の現状を取材しました。

台風10号通過後の9月3日、屋久島を上空から撮影した映像です。
複数箇所で土砂崩れが起き、流れ出た土砂が道路をふさいでいる場所も確認できます。

8月末、県内を通過し、各地に大きな被害をもたらした台風10号。
屋久島も豪雨と強風に見舞われました。

こちらは観光地の被害をまとめたものです。
島の北東にある白谷雲水峡。中央部にある縄文杉。そしてヤクスギランドなど、島有数の観光名所への道はほとんどが通行できない状態に。
秋の観光シーズンを前に島の基幹産業は大打撃を受けました。

屋久島観光協会には台風通過後、多くの問い合わせが寄せられたそうです。

屋久島観光協会・西川泰伸事務局長
「宿泊業者の方がキャンセルキャンセルで、通常であれば50件ぐらいだが、台風通過後、多い時で120件ぐらいあって、電話応対が大変だった」

島の北部にあるホテルも当初はキャンセルが相次いだといいます。

THE HOTEL YAKUSHIMA・寺田隆輝宿泊支配人
「(台風)接近前からキャンセルが相次いで、台風が通過して(これまで)延べ300人ほどのキャンセルになっている」

島の復旧状況はどうなっているのか?先週KTSのカメラが島に入りました。
至る所で台風の爪痕が残る中、観光地では復旧作業が着実に進められていました。

まず復旧したのはヤクスギランド。
広大な森の散策を楽しめるヤクスギランドは比較的被害が少なく、9月1日から再開されました。

ヤクスギランドを訪れた人
「思ったより崩れていなくて普通に歩けました」

次は島の象徴とも言える縄文杉です。
縄文杉そのものに被害はなかったものの、登山ルートには倒木や土砂崩れが。

島の観光ガイドが早期復旧を目指し、ボランティアでトロッコ道の補修や迂回ルートを造る作業を行った結果、9月7日には登山が再開。
取材に訪れた9日には、すでに利用客も例年並みに戻っていました。

縄文杉登山客
「縄文杉まで行くのが大変だった」
「きれいな景色とか見られたので楽しかった」

こちらはこの前の3連休の様子。
縄文杉を前に多くの登山客の姿がありました。

最も復旧に時間がかかったのが白谷雲水峡です。
普段であれば美しい渓流と苔むす幻想的な森が楽しめますが、この場所では大きな被害が。

推定樹齢3000年の屋久杉、弥生杉が強風で根元から折れてしまったのです。

このほか白谷雲水峡に通じる県道でも倒木や落石が相次ぎましたが、懸命の復旧作業が進められ、白谷雲水峡もようやく20日から一部で開園されます。


台風10号の襲来から約3週間。ようやく元の姿に戻りつつある屋久島。
完全な姿ではないものの、世界自然遺産の島はすでに観光客を魅了しているようです。

兵庫県からの観光客
「ヤクスギランドから太忠岳に行ったり、モッチョム岳から蛇之口滝にも行けた。天気が本当に良くて、とにかく素晴らしい景色ばっかりで感激した」

先週と今週は台風13号、14号の強風域に入るなど、台風シーズンはまだ続きそうですが、そのリスクと向き合いながら、屋久島での秋の観光シーズンが本格化しています。

過去の記事