「頭痛に解熱剤は逆効果」 熱中症で死者5人の鹿児島、薬剤師が警告する意外な落とし穴
2026年8月19日(水) 13:20

県薬剤師会薬事情報センター 井上彰夫所長
2026年、鹿児島県内ではすでに約1100人が熱中症の疑いで搬送され、そのうち5人が死亡している。死に至る熱中症の主な原因は「脱水」だが、自覚しづらく、気づいたときには症状がかなり進んでいることも多い。そこで鹿児島市立病院の医師と県薬剤師会の専門家が、早期発見と注意すべき行動について語った。
尿の色と爪で脱水をチェックする

爪を圧迫して離す "脱水"の簡易チェック方法
脱水症状に早い段階で気づくには、日常的なサインを見逃さないことが重要だ。鹿児島市立病院救命救急センターの吉原秀明センター長は、まず「尿の色」を確認する方法を挙げる。
「5段階の上2つは特に問題ないが、真ん中まできたら、何か経口摂取を増やしていかないと。下2つの段階まで行くと腎臓の機能に影響しているかもしれないレベル。要注意」
もう一つは「爪」を使った簡易チェックだ。爪を圧迫して離したとき、通常であれば2秒以内に色が戻る。吉原センター長は「戻りが悪いときは、体の中の水分不足で末梢まで血流が十分に保てていない」と説明する。道具不要でその場で確認できるため、屋外での活動中にも実践しやすい。
被災地では「10分おきに熱中症の人が来た」

鹿児島市立病院救命救急センター 吉原秀明センター長
吉原センター長は8月1日から熊本地震の応援として被災地に入っており、現地の深刻な状況を直接見てきた。
「氷川の病院では、発災後すぐに熱中症の人が多発して『10分おきに熱中症の人が来て大変だった』と話していた」
災害時は避難環境の悪化も重なり、熱中症リスクが急激に高まる。対策として吉原センター長が強調するのは、環境の改善と定期的な水分補給だ。高齢者は「喉が渇く」というサイン自体が遅れがちなため、渇きを感じる前に意識的に水を摂る習慣づけが欠かせないという。
頭痛に解熱鎮痛剤は逆効果になるおそれ

解熱鎮痛剤
熱中症の症状として頭痛が現れることがあるが、薬の使い方にも注意が必要だ。県薬剤師会薬事情報センターの井上彰夫所長は、解熱鎮痛剤の安易な服用を勧めない。
「痛みが軽減しても、熱中症のそもそもの改善に繋がっていない。軽減されてしまうことで、さらに無理が続いて、重篤な熱中症の症状が出てしまうおそれ」
さらに、脱水によって腎臓の機能が弱まっている状態で解熱鎮痛剤を服用すると、腎障害を引き起こすリスクもあるという。痛みを抑えることで危険なサインを見逃してしまう可能性がある点は、見落とされがちな落とし穴だ。
今後もしばらく気温の上昇が続くと予想される鹿児島県内。専門家の知見を日常に取り入れ、熱中症対策を習慣化することが求められている。


















































































































