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２２日午前、日本版ＧＰＳ衛星「みちびき５号機」を搭載したＨ３ロケット８号機が鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターから打ち上げられました。

ロケットは飛行中に２段目のエンジンが予定より早く燃焼を停止してしまい、衛星を予定の軌道に投入できず、打ち上げは失敗しました。

Ｈ３ロケットの打ち上げ失敗は、２０２３年３月の初号機に続き２度目です。

轟木康陽記者
「大きな光を放ちながら、Ｈ３ロケット８号機が今、種子島から宇宙へと向かっていきます」

Ｈ３ロケット８号機は２２日午前１０時５１分３０秒、南種子町の種子島宇宙センターから打ち上げられました。

発射場周辺は強い風が吹いていましたが晴れていて、機体は順調に飛行しているように見えました。

しかし・・・

ＪＡＸＡの担当者
「第２弾エンジンの燃焼が予定より早く終わりました」

ＪＡＸＡによりますと、搭載していた衛星、「みちびき５号機」を切り離す約５分前の午前１１時１５分ごろ、機体の第２段エンジンの燃焼が始まりましたが、まもなく停止しました。

衛星を予定の軌道に投入できず、打ち上げは失敗しました。

Ｈ３ロケットは、２０２３年３月の初号機で２段目のエンジンが点火せず指令破壊されたものの、その後は５回連続で成功していました。

打ち上げ失敗から約３時間半後に、種子島宇宙センターで会見を開いたＪＡＸＡは打ち上げ失敗について謝罪しました。

ＪＡＸＡ・山川宏理事長
「予定した軌道にみちびき５号機を投入することができず打ち上げに失敗した。国民の皆様からの期待に応えられず心よりおわび申し上げる」

失敗した原因についてＪＡＸＡは、打ち上げから約３分後、第１弾エンジンの燃焼中にエンジンの作動に影響を及ぼす水素タンクの圧力が何らかの理由で通常より下がり始め、第２段エンジンの燃焼が予定より早く停止したということです。

ＪＡＸＡ打ち上げ責任者・岡田匡史理事
「今回の原因が果たして第２段にあるのかどうか自体もこれからの原因究明によるところ」
「Ｈ３ロケットが信頼性の高いロケットとして役目を果たせるよう全力で取り組みたい」

今回、搭載されていたみちびきは日本版ＧＰＳとも呼ばれ、スマートフォンやカーナビなどの位置情報の精度向上や災害時の情報発信にも活用される予定でした。

政府は他国に頼らない自立したサービスを可能にするため、７機体制への増強を目指していて、今回が６機目でした。

打ち上げを見学していた住民からも今後の影響を心配する声が聞かれました。

住民
「下から見る分にはうまくいったように思えた。割と深刻な事態らしくて今後の打ち上げに影響出るのではないかという不安を感じる。計画に支障が出てくるのではないか」
「せっかく打ち上げられたのにそういうことがあってＪＡＸＡの人も大変だと思う。私たちは上がるのが見れて満足した」

種子島宇宙センターでは２０２６年２月にＨ３ロケット９号機の打ち上げも控えていますが、ＪＡＸＡは今回の失敗について詳しい原因が分からない限り、新たな打ち上げは難しいとしています。