パンプスを履いて颯爽と現場へ向かう1人の女性、山下さん。ヒールの靴でイベント現場や取引先を飛び回るのは、女性営業マンにとってはごくごく日常の光景。
ヒールのある靴を強制されて健康被害を受けている女性たちの声をあらわす言葉『#KuToo (クーツー)』。この運動の始まりは今年1月。仕事でヒールやパンプスを履かなきゃいけないという風習をなくしたい。葬儀場でアルバイトをしていた女優でライターの石川優実さんのつぶやきに、なんとリツイート約3万、約7万の「いいね」がつきました。
これは個人の問題じゃない!社会の問題だ!「靴(くつ)」と「苦痛(くつう)」、そして#MeTooをかけた#というハッシュタグが生まれました。
石川さんは職場でのパンプス強制を禁止するように企業に通達をしてもらうことを目的として、6月3日に厚生労働省にインターネットで集まった署名を提出しました。
すると6月5日の厚労委員会で根本匠厚生労働相から「女性にハイヒールやパンプスの着用を支持する、義務付けることは社会通念に照らして業務上必要かつ相当な範囲だろうと思う」という発言が。
この発言でさらに海外メディアからも日本の#KuToo運動に注目が集まります。
パンプスを職場で強制されることはマナーだから当たり前?それとも時代遅れ?あなたはどう思いますか?
KuToo(クーツー)運動はヒールの是非を問うものでも職場でヒールを履くことを禁止するものでもなく、マナーだからTPOだからという理由でヒールを履きたくない人が履かなくてもいい権利を求めての活動です。
履きたい人はこれまで通り履き続けるけれども、履きたくない人履くことが苦痛な人を救うための運動なんです。
Q. 石川さんのツイートがきっかけでこの運動は始まったということですが、最初はどんな思いで?
「多くの人が困っているのに、個人的な問題として見過ごされてきた。少しでも社会の風潮を変えたい。」
Q. 何が一番問題だと思われますか?
「仕事の効率や健康よりもマナーが優先されていること。厚生省に訴えていることは?強制しないように企業への通達をするための法の整備を」
外国人からは日本の#KuTooはどう映っているのでしょうか?庄村さんの焼酎仲間・GO!KAGOSHIMAのエイリー麻弥さんにお話を聞きました。
「特にヒールに関してはアメリカとかヨーロッパの考えでは女性の足に悪い。
健康的によくない靴をわざわざ長時間履かせるのっていう声があがってきてますよね。日本はジェンダーの意識も健康面でもだいぶ諸外国に遅れてるから、良く言えば今からどんどん変わるのかもしれません。」
日本よりも海外からのほうが注目されているんじゃないか?というくらい錚々たる海外メディア(CNN、CBS、イギリスのインデペンデント、イギリスの経済新聞、BBC、フォックスニューズ、ABC、タイム ガーデンなど)が日本の#KuToo運動を報じているそうです。
男女共同参画政策アドバイザー・ワークショップデザイナーの髙﨑恵さんにも聞いてみました。
「ヒールがないとフォーマルじゃないという考え方がおかしい。ヒールがなくてもフォーマルな靴はある。
石川さんの勇気ある発信によっていろいろな人が性差別を考えるきっかけになっている。
正直に率直に語り合う人たちが増えていくのが大事。自分と違う立場にある人のことを攻撃しないという対話の姿勢が大事。」
鹿児島労働局の室長・大庭直美さんにも聞いてみました。
「こうした流れになったのは社会慣習の壁とか会社の壁とか社員同士間の壁とか壁が厚かった。運動が起きたことでそれが分かりましたし、自分のところはどういった服装がOKなのか決めていただくことによって社会慣習も時代によって変わっていくのでは。」
ナマ・イキVOICEでは鹿児島の女性達にアンケートを実施しました。
Q. あなたの職場にはヒールのある靴で仕事をしなければならないという規則はありますか?
規則としてあるところは15%ですが、規則はないけれどもマナーなので履くというところと合わせると25%近く。
Qヒールのある靴で仕事をすることを苦痛に思っていますか?
なんと8割の方が苦痛に思っていると回答。
どんな風に苦痛なのか実際にパンプスで働く方に話をきいてみました
● ヒールがないといけないっていう決まりぺたんこ靴は禁止
● マナーだから
● みんなそれぞれ痛みをこらえながら
● 職業柄パンプスじゃないとお客さんの前に出れない
● 気付いたら足の形も変わって小指がはれてきてたりとか、爪が食い込んできたりする指に
● 小指がほとんどつめがない状態
● 巻き爪で入院する人もいたりとかするんで
休みの日に辛いこと
足が変形してしまったことによりオシャレヒールがはけなくなって、結婚式とか肝心なときに本当にヒール靴を履きたいときにオシャレなハイヒールが履けなくなってしまっているという本末転倒なことも…
鹿児島大学病院の整形外科医師・中村俊介さんにお話を聞いたところ、実は医学的に見て、ヒールの靴を長時間履くことでいいことはひとつもないんだそうです。
先生も「履きたいときに履けなくなるのでシーンを選んで、ここぞというときに履くようにしたほうが良い」とおっしゃってました。足がすごく痛む方は、まずは病院に行くというアクションから始めてみるのもいいかもしれません。
パンプスはきついなーってことで色々工夫している皆さんも。
ちょっと前まではスタッフさんのほとんどがパンプスを履いて仕事をしていたという美容院「」では、オシャレの日という日を作りました。スニーカーの日は全員がスニーカーを履いているんだそうです。
オフィス街で出会った女性は、以前パンプスを履いていましたが仕事がしづらいという事でパンツスーツに合わせているのはメンズの革靴です。とっても個性的でオシャレな方でした。人によって足に合う靴も違えば履きたい靴も違うわけですよね。
今日のスタジオのスタッフの中にもこういう仕事だから動きやすさを重視してもありスニーカー派が多い中、頑なにパンプスでFDをするディレクターも。何を履きたいかは人それぞれだし、痛みにどれだけ強いかも人それぞれですよね。
庄村さん
そもそもいい仕事したいから仕事に集中したいからの願いだから、自由に選ぶ権利がほしいと私は思う
美川さん
「ヒール大好きでいつもヒールを履きたい私にとっては、このきっかけなければ履きたくない人の気持ちを考えることなかったなと」
高橋さん
「男性のスーツちょっと前からクールビズが当たり前になったけど、そこにくるまではやっぱり誰かが言い始めるところまで来たんですよね。まずは自分の思ってることを声に出すことから…」
#KuTooに触発されて『#Sutoo』=スーツの強制反対!も立ち上がってるんだとか。#KuTooが時代を大きく変えるかもしれません。
運動を起こされた石川さん、バッシング等を受けながらも時代が変化できるように先頭に立って闘っていて本当にかっこいいと思います!わたしたちもちゃんと自分の意見を 言える女性になりたいですね。