最近よく聞くハラスメント問題。
鹿児島の実態を調査すると、驚きの事実が明らかに…
一方で、女性が働きやすい環境作りに取り組む会社もありました。
セクハラ、パワハラ、もう我慢しない！
◆セクハラ・パワハラに関するアンケート調査
街で女性３０人に聞きました。
『セクハラ、パワハラを受けたことありますか？』
「結婚しないの？と聞かれたり、触られたりもある」
「身体的な、見た目のことを言われたり」
「飲み会で先輩に触られたり。でも笑ってすまされて何も言えない」
「膝に物を置いていたら手をのばしてきた」
「営業をしてたとき、枕営業とか言われた」
「この役立たず！といわれたり」
「先輩に話しかけても無視されたり。仕事を教えてもらえない」
３０人のうち、セクハラ・パワハラを受けたことが「ある」と答えたのは、１２人。「ない」と答えたのが１３人。友達や同僚が受けた」と答えたのが５人。３分の１以上がハラスメントを体験したという結果に。
さらに番組でアンケートを行ったところ、セクハラ・パワハラの体験談がおよそ５０件が寄せられました。私たちの周りでもありふれている、ハラスメント。その実態に迫りました。
◆ナマ・イキVOICEに寄せられた体験談
【ＣＡＳＥ１】飲み会の席で…
それは、部署の飲み会での事でした。最初はみんなで楽しく飲んでいたのですが、隣の先輩が突然、「こいつ、実は良い体してるんだよ」とあたかも私と性的関係があるかのように話し始めたんです。私はびっくりして「何言ってるんですか！」と否定しましたが、話はどんどんエスカレート。周りの同僚や先輩達も一緒になって笑うばかりで、誰も助けてくれませんでした。これってセクハラですよね！？
【ＣＡＳＥ２】仕事を教えてくれない先輩
私は入社１年目。入ったばかりでまだまだ分からない事だらけ。早く仕事を覚えたいのですが、直属の先輩は質問しても、「適当で良いんじゃない？」「私に聞かないで」などと、まともに仕事を教えてくれません。それなのに、少しミスをしたら「できないなら、もうやらなくていいから」と冷たく突き放されました。この先仕事を続けていく自信がありません。
こうした職場でのハラスメント。労働局に寄せられる相談は年々増加。平成２８年度の相談件数はセクハラ・パワハラ合わせて８００件以上にも上りました。番組に寄せられたアンケートの中には、退職に追い込まれた深刻なケースも…
【ＣＡＳＥ３】毎日罵られ…
以前働いていた職場のことです。直属の上司からパワハラを受けていました。「この役立たず！親の顔が見てみたい」と罵倒されたり、またある時は正座をさせられ、何時間も説教されたこともありました。暴言を浴びせられる毎日で、精神的に追い詰められ、結局退職を選びました。今もその傷は癒えません。
【ＣＡＳＥ４】耐えられない！セクハラ上司
私は今、上司からのセクハラに困っています。私がデスクワークをしていると、突然耳元で話しかけてくるんです。それだけならまだしも、社内で２人きりの時に「何かついていない？」とお尻を触られたこともありました。さらに上の上司に相談しましたが、「そんなことをする人には見えない」と相手にしてもらえませんでした。会社に頼れる人は誰もいません。退職することも考えています。
◆「これが私の人生設計」
マルヤガーデンズにある、ガーデンズシネマ。来月上映する映画のミーティングが行われていました。今回のテーマはズバリ、ハラスメントです。
映画「これが私の人生設計」
イタリアの女性達から圧倒的な共感を呼んだこの作品は、主人公セレーナが超男社会の建設業界で、ハラスメントや差別と戦いながら自分らしい生き方を模索する物語です。女性の活躍を目指す団体とガーデンズシネマとの協働で、今回特別に１０００円で上映されることになりました。
かごしま女性政策研究会・高崎さん「それおかしいですよね、って言いにくい。こう思うんですけどどうですか？っていうのも多くの人と意見が違うと言わない、言えない、言わせないっていう環境があって。でも今度やる映画はそういうことを言っていく。言って良いんだなっていうことにこの映画を見て気づいて欲しいと思う。」
ハラスメントに悩む人が１人でも減ってほしいという願いをこめて。上映は７月２５日からです。
ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ
「これが私の人生設計」
監督：リッカルド・ミラーニ 出演：パオラ・コルッテレージ（２０１４/イタリア/１０３分）
７月２５日～３１日ガーデンズシネマ(マルヤガーデンズ７Ｆ)にて上映
特別鑑賞料：１０００円
◆ハラスメント防止に乗り出す企業
悩んでいるのはハラスメントの当事者だけではありません。実は企業にとっても大きな不利益になるんです。
鹿児島労働局・大庭室長「職場でハラスメントが起こると当事者だけではなく、周囲もやはり不快な思いをしている。職場全体の指揮がさがるというようなことにもなる。生産性が低下するとか、人が退職してしまうとか。ハラスメント対策をきっちりと取って頂いて人材定着につなげていただく必要が企業にはある。」
鹿児島労働局 ハラスメント特別相談窓口
TEL099-223-8239
社員の声を拾う取り組み・シナプス
ハラスメント防止に乗り出す企業も。インターネットプロバイダのシナプス。社員数は３５人。より確実に社員の声を拾う取り組みを始めました。その方法は面談。上司との面談はよく聞きますが、ここでは課長、部長、社長と窓口を３つ設け、必ず誰かに悩みを打ち明けられるよう体制を整えています。
竹内代表取締役社長「役職の上位の人には言いにくいこともあるかもしれないので、そこは先輩が聞いてみるとか。いろんな試行錯誤しながら話がお互い聞けるというのを模索している。
仕事でいろんな能力を発揮するためには情報交換できて、それを話すことによって重荷が取れれば仕事に集中にできるのでは。内に閉じ込めずに何かあったときに出してほしい」。
風通しの良い環境作り・オンリーワン
普段から風通しの良い環境作りに取り組む企業も。家具などの販売を行うオンリーワン。セールスプロモーションについて話し合う重要な会議、社長や店長だけでなく、若い従業員も参加します。立場や年齢が違う社員がお互いの意見を尊重し合う和やかな雰囲気。しかし以前はそうではなかったようです。
佐々木社長「僕のトップダウンだった時もありますし、でもその時ってやっぱり暗かったんですよ。閉塞感でいっぱいだった。
やる気ないのかなと思ったんですけど全然逆で、発言する場所がほしい自分たちのやりたいことがある、という方がすごく多かった。」
これを機に、従業員全員が意見を言える場をつくることにしました。上司が部下からのアドバイスを参考にすることもしばしば。過度な上下関係をなくすことが結果的にハラスメントの防止につながると期待しています。
佐々木社長「従業員には長く勤めていただきたいですし、その中で楽しみをみつけ自分の成長を感じて、自分が会社の運営に携わっていて、っていう風に生き生きと人生を能動的に生きてほしいと思っています。」
