干潟になりたい
2026年日本民間放送連盟賞 テレビ番組部門報道番組 九州・沖縄地区 最優秀賞

日本の精神疾患の患者は約600万人、
20人に1人が“心の病”を抱えている。

揺れる時代―、
鹿児島市に全国から注目を集める出版社があった。

「ラグーナ出版」。

スタッフの8割が“心の病”を抱えながら働き、
本の企画、制作、販売までを精神疾患の患者が担う、
世界でも珍しい出版社だ。

取り扱う本は精神疾患に関するものばかり。中でも多くの人の心を掴んで離さないのが「シナプスの笑い」という雑誌だ。2006年に創刊、年に3回発行、これまで約2万部を売り上げてきた。

内容のメインを占めているのは、 全国の精神疾患を抱えた人たちから寄せられた投稿作品。
精神疾患の発症によって社会からこぼれ落ち、
傷ついた過去や切なる思いが綴られている。
編集部で「シナプスの笑い」を担当する岩井雄次さん(55)は、コラムを書けずに悩んでいた。

夢の研究者となった24歳の時、 統合失調症を発症。 精神疾患によって夢が絶たれ、 定職につけないまま20年、 ラグーナ出版にたどり着いた。
入社して9年、 心のバランスを崩しながらも、
「精神疾患になった自分」についてコラムにまとめようとしていた。

そんな時、
全ての精神科病院を閉鎖した精神医療の先進国イタリアから
専門家たちがやってきた。
「日本も変われる。自分たちがやっていることを信じてください」。
”誰かの役に立ちたい―”岩井さんはコラムを書き始めた。

ナレーター

甲本 雅裕 (俳優)