食用の花、エディブルフラワー。見た目も華やかで料理に添えるとSNS映えすると人気が高まっています。今回はこの映えるお花を作り続けている一人の男性に密着!そこから見えてきたのは、繁華街・天文館の「今」でした。
見て食べて楽しめるお花「エディブルフラワー」
鹿児島大学農学部の技術職員・中野八伯さんが栽培しているのは、食用に栽培された食べられる花「エディブルフラワー」。料理やケーキなどに添えると華やかになることから「SNS映えする!」と近年人気が高まっています。ビオラやカモミール、バーベナ、キンギョソウなど全部で6種類のエディブルフラワーが栽培されており、すべての花を中野さん一人で管理しています。
大阪府出身の中野さんは、17年前に就職で鹿児島に。技術職員として鹿児島大学の学生たちに果物や野菜の育てかたなどを教えてきました。その傍ら、おととしの秋に以前から興味があったエディブルフラワーの栽培を始めました。
エディブルフラワーは無農薬で栽培するため、虫がつきやすく、きめ細かな管理が必要なんだそう。また中野さんは土を使わず水と液体肥料だけで育てる水耕栽培で育てています。水をやるときの泥はねがないため、美しい状態で栽培できるんだそうです。
鹿児島大学での収穫の時期は12月~4月。特に春は花が多く、ハウスがカラフルになります。
花から見る「天文館」の今
朝収穫したエディブルフラワーを、毎日天文館のお店に届けている中野さん。天文館グルメ通りのイタリア料理店「イルチプレッソ」では、エディブルフラワーがコース料理の前菜やデザートに添えられ、お客さんを楽しませてくれます。外出自粛の影響を受けて天文館の客足が途絶えてきた中でも、少人数の予約制にしたり、テイクアウトメニューを始めたりと対策をしながらお店を続けています。
【イルチプレッソ】
住所:鹿児島市東千石町8ー9
営業時間:午後6時~午後11時(※LOは午後9時)
定休日:月曜
TEL:099ー222ー1713
コース料理 4950円(税込)~
冷凍パスタソースなどのテイクアウトメニューもあり
天文館グルメ通りの「さつま酒飯店 和総」では、サラダやカルパッチョなどにエディブルフラワーが使われています。こちらでも席の間隔をあけたり、消毒液を店内に置いたりと徹底した対策を行っています。大好きな街を守りたい。店を、そして、自分を心配してくれる人たちを大事にしたい。その思いに中野さんも心を動かされたといいます。
【さつま酒飯店 和総】
住所:鹿児島市東千石町7ー17ニイムラビル1階
営業時間:午前11時30分~午後2時 午後5時30分~午後11時
不定休
TEL:099ー295ー6655
垂水カンパチのカルパッチョ 900円(税込)
てんこ盛り野菜サラダ 680円(税込)
お弁当のテイクアウトメニューもあり
いつもと違う2020年の春。苦しい状況の中、笑顔の花を咲かせようと踏ん張り続けている人たちがいる。そして、それを支えたいと願う人がいる。今日も、中野さんは小さなお花畑からエールを送ります。