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1月19日(木)“七宝の輝きを今に”密着!女性工芸家

伝統工芸の「七宝」。その輝きは古くから多くの人を魅了してきた。祖父から伝統の技法を受け継いだ一人の女性七宝工芸家に密着!時代のバトンをつなぎながら、七宝の新しい形を追求する姿を追いました。

時代をつなぐバトン!七宝の輝きを伝える

美しい輝きを放つ伝統工芸品「七宝」銅・銀などの金属の表面にガラス質の釉薬を焼き付けるもの。他の焼き物と違うところは、土台が金属というところ。仏典にある七つの宝物「金・銀・瑠璃・しゃこ・めのう・真珠・まいえ」のように美しいことから、この名前がつけられたと言われています。その繊細な輝きは、古くから多くの人に親しまれてきました。その輝きに魅了された女性が鹿児島にいました。

【久冨木原妙さん】
久冨木原妙さん(31歳)七宝・彫金作家です。鹿児島市薬師の長閑な住宅地の一角にある本村工芸美術研究所。七宝の土台となる金属の加工を行う部屋には、見慣れない道具が所狭しと並んでいます。大きさはおよそ3ミリと細かい部品まで手作りです。多くの七宝作家は色をつける作業から行うそうですが、久冨木原さんは、金属の土台作りから始めます。
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【七宝体験】
この日も、七宝の輝きに魅了された方々が集まっていました。釉薬と呼ばれるガラス質の絵具を塗り、色をつけていきます。裏側を色づけしたら、次は表側。なかなか思うように塗れず、ムラができてしまいます。次に取り出したのは「フリット」と呼ばれるガラス質の粒状の釉薬。好みの色や大きさを選んで、一つ一つ並べていきます。いよいよ作品作りも終盤。最後に焼きの作業に入ります。電気炉を使いおよそ800度ほどの温度で1分焼きます。先ほどのせたガラス質のフリットが熱でみるみ溶けていきます。思いもよらない色と形になって出てきて、びっくり!でも熱が冷めると美しい緑色の輝きを放ちました。世界に一つだけのオリジナルブローチの完成です!
 七宝体験:指導料1500円+材料費600円~
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【七宝の世界に興味を持ったきっかけ】
そのきっかけは本村宗睦さん。久冨木原さんの祖父です。およそ60年前のこと、独学で七宝を学び、県内の美術家を中心に「鹿児島七宝会」を立ち上げ、七宝の普及に努めていました。そのころ、神奈川県に住んでいた久冨木原さんが帰省の際、鹿児島で祖父に七宝の作り方を教えてもらうのが楽しみだったといいます。
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久冨木原さんが小学校3年生の時に作った作品。子どもの頃から才能を持ち合わせていたようです
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【決意】
その後段々と七宝への興味が強くなり、本格的に祖父に教えてもらおうと、17歳のとき鹿児島に来ることを決意。鹿児島の大学を受験しました。そこで、思いも寄らない出来事が起きます。祖父が他界。目標としていた存在を失ってしまいました。
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【祖父の残した「辞典」】
そんな久冨木原さんを救ってくれた七宝辞典。祖父宗睦さんが8年の歳月をかけて書き上げました。様々な技法の解説が細かく丁寧に書かれています。試行錯誤しながらも、祖父の残した「辞典」を元に勉強の毎日でした。辞典には作る手順以外にも、作り手としての心構えが記されていました。見えないところまで心を配るところに工芸の愛がある。宗睦さんの大切にしていた考えです。辞典を開けば、祖父と会話しているような気持ちになると久冨木原さんは語ります。
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【第60回県美展】
こちらは、第60回県美展で入選した七宝の壁画です。おじいちゃんに導いてもらった七宝の世界で、ようやく花が開き始めました。その後も数々の作品が入選。久冨木原さんの心の中には、いつも祖父の宗睦さんがいます。
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【新しい挑戦】
久冨木原さんは今、新しい挑戦を始めています。現代風にアレンジした七宝のアクセサリー。それは、祖父宗睦さんの技法を生かしつつ自分なりの感性で作り上げる新しい七宝の形です。昨年4月に七宝・彫金アクセサリーのオリジナルブランド「Tae.K」を立ち上げ、12月にはアトリエショップもオープンさせました。七宝のアクセサリーには、伝統工芸を身近に感じてほしいという思いが込められています。祖父から孫へ渡った伝統のバトン。形を変えながらも七宝のように輝き続けています。
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