1月12日(金)鹿児島ロングセラー~県民も知らない“げたんは”ヒストリー
長年人気の、いわゆるロングセラー商品の知られざる歴史に迫る「かごしまロングセラー県民も知らないヒストリー」。
今回は、鹿児島の郷土菓子“げたんは”です。
南海堂を訪ねました
黒糖蜜の上品な甘さと、しっとりとした食感。
鹿児島のソウルフードといっても過言ではない、“げたんは”。
長年、鹿児島の菓子作りを担ってきた、南海堂を訪ねました。
看板商品の“げたんは”をはじめ、「黒棒」・「まるぼうろ」など、昔ながらのお菓子を製造販売しています。
南海堂の歴史
ヒストリーの語り部は、3代目社長・松元真一郎さん。
“げたんは”を愛する県民のひとりです。
南海堂の創業者は、真一郎さんの祖父、松元清徳さんです。
当時、焼き饅頭や煎餅などの焼き菓子を製造、販売していました。
“げたんは”はメインではなく、ラインナップの1つだったそうです。
真一郎さんの父・松元義徳さんが初代から会社を受け継いだ時、会社経営が苦しく、2代目は、会社再建のため“げたんは”を主力商品として製造し、全国へ流通させることに奔走しました。
そうして、会社の危機を乗り越え、現代まで、郷土菓子・“げたんは”を守り続けてきました。
げたんはのルーツ
鹿児島に黒糖が強く根付いたのは、江戸時代です。
薩摩藩が琉球王国を支配し、琉球や奄美地域で栽培されている「サトウキビ」の製造を独占。
黒糖を使った菓子として、“げたんは”が誕生したと言われています。
名前の由来は、「げたのは」に形が似ていた、また、贅沢品の黒糖を役人たちに気づかれないように食べるための隠語だったなど、諸説あるそうです。
げたんは工場に潜入
県内産の卵、砂糖、厳選した九州産の小麦粉などを、生地の硬さを調節しながら練り上げていきます。
薄く伸ばした生地を、およそ250度のオーブンで6分程焼きます。
焼き上がりは、半円の形をしていて、こんがり、ふっくら、おいしそうです。
そして、半円の生地を企業秘密の機械で、馴染みある三角形にカットします。
それらを、木の箱に詰めていきます。
そして、いよいよ最終工程です。
生地を黒糖蜜に浸します。
まさに、ブラックダイヤモンドの輝き。
美味しそうです。
南海堂では、毎日2万5000個以上の“げたんは”を製造しています。
どれだけ愛されている商品か、わかりますよね。
ちなみに、牛乳につけたり、バニラアイスをサンドしても食べるのも、おススメだそうです。
“げたんは”への思い。そして、ロングセラーとは
原料の供給減や価格高騰があるが、いまの味で作り続けられるうちは作り続ける。
味が守れなくなったら、作らない。
ロングセラーでいられるのは、魅力を感じてくれるみなさんのおかげ。
南海堂
住所 鹿児島市伊敷4-13-15
電話 099-229-2333