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新型コロナ医療の最前線(前編)重症患者を受け入れる鹿児島大学病院の現状

2021年3月5日12:55

画像提供 鹿児島大学病院

鹿児島大学病院を取材したのは2021年2月20日。通常、カメラ取材はできませんが、今回は特別に許可を得て、新型コロナの重症患者を受け入れている医療現場にカメラを入れることができました。 

治療中の男性

ガラスで仕切られた個室。治療を受けているのは2月上旬に別の病院から転院してきたという高齢の男性です。

鹿児島大学病院 垣花泰之教授

鹿児島大学病院 垣花泰之教授:
一時期かなり危険な状態になったが、ようやく改善傾向になっている

病室内の映像

男性は人工呼吸器の助けを借りながら、血圧を上げる薬や感染症の治療薬など
何種類もの点滴を受けていました。

2月20日時点の鹿児島県内の重症患者は5人。男性はこのうちの1人です。

県内全体の調整役も担う

垣花泰之教授は、新型コロナの重症患者や中等症の患者が的確な治療をスムーズに受けられるよう、県内全体の医療機関との調整役も担っています。

垣花泰之教授

鹿児島大学病院 垣花泰之教授:
(症状が重い)患者に関しては、かなりの割合で、人工呼吸器だけでは対応できないような肺障害があるということ。つまり、ECMO(エクモ)=体外式膜型人工肺まで導入しないと救命できないような肺障害があるのが他の疾患とは明らかに違う

画像提供 鹿児島大学病院

この画像は2020年秋ごろ、新型コロナの患者が運ばれてきた際の様子です。防護服を着た救急隊員から患者を引き継ぎ、病院内へ。

画像提供 鹿児島大学病院

その後方で、別の医療スタッフが手すりなど触れた箇所を素早く消毒します。

看護師長

鹿児島大学病院 看護師長:
(コロナ対応の大変さは)今までで最高レベルかもしれない。本当に神経をつかってきた。スタッフを守るという気持ちで、必死に今まで走ってきた

病棟内は3つのゾーンに区分け

レッドゾーン

緑と黄色の矢印。そして、赤い線。感染者がいる個室はレッドゾーン。

イエローゾーン

そして、患者と接触後に防護服を脱ぐエリアはイエローゾーン。

グリーンゾーン

これ以外はグリーンゾーンに区分けされています。

看護師の感染対策

マスクの密着度を高める

病室に入る前、看護師は医療用マスクの上からさらにテープを貼って密着度合いを高めます。

手袋の着用

手袋は2重3重につけます。

防護服などを着用する看護師

看護師の話:
汗をかいて、マスクが(汗を)吸って、息ができなくなる。長時間(レッドゾーンに)入ってるのはきつい。一番最初は4時間くらい入った人もいた。脱水とユニフォームが汗だくだった

無線機器も使って病状を管理

病室内の看護師

2人ひと組で看護師が病室に入りました。床ずれを防ぐため体の向きを変えたり、
たんを吸引したり、さらに保湿ケアをしたり。

無線を使ったやりとりも

感染リスクを減らすため、患者の状態の記録は、無線を使って病室外にいるスタッフが担います。

撮影協力 鹿児島大学病院

看護師のひとりが病室内の様子を撮影してくれました。

「頑張ってますね」などと明るく声をかけて患者を励まします。

防護服を脱ぐ看護師

30分以上経って病室から出てきた看護師。

看護師

看護師がマスクなどをずらすと、顔や首の皮膚が赤くなっています。

看護師:
いつも保護材をつけてるけど、鼻も赤くなる

地域医療の“最後のとりで”として

“原動力”

最前線で踏ん張る心を支える原動力は何か、尋ねました。

看護師:
患者さんがよくなったり、ご家族から手紙をもらったりすると力になります

重症患者

この大学病院で受け入れている新型コロナの患者は、酸素投与が必要な中等症以上の感染者です。

取材した2月20日時点で、重症患者はこの男性が10人目でした。

「地域医療の最後のとりで」

医師も看護師たちも、このコロナ禍で「地域医療の最後のとりで」として使命を果たしたいと考えています。

垣花泰之教授

鹿児島大学病院 垣花泰之教授:
重症患者が増えれば、それ以外の病気の重症患者にかなり影響を及ぼす。そういう意味で、コロナの症例をできるだけ減らしていくというのが、全ての患者を救命するためには重要。最後は私たちが精いっぱい頑張るので、新型コロナの重症患者をできるだけ減らす協力をしてほしい

新たな重症患者が

患者受け入れの電話連絡

取材中にもまた1人、重症患者の受け入れが決まりました。

今、この瞬間も新型コロナの最前線で大勢の医療スタッフが立ち向かっています。

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