止められない咳、まばたき…『チック症』 10人に1〜2人が抱える知られざる発達障害 診断・支援が届かない現場と当事者の声が訴える理解と支援
2025年12月2日(火) 14:15

発達障害の一種「チック症」
自分の意思に反して体が動いたり声が出たりする発達障害の一種「チック症」。
4歳~6歳で発症するケースが多く、子ども10人中1人から2人いるとされる。発症の原因はいまだ解明されておらず、鹿児島でも悩みを訴える保護者の声が。一方で、自身のことをSNSなどで積極的に発信し理解を求めようと活動する人もいる。
知られていない「チック症」の実態 当事者からは切実な声が

「音声チック」と「運動チック」がある
チック症には咳払いや声が出る「音声チック」と、頻繁なまばたきや首を振る、肩をすくめるといった「運動チック」がある。運動を抑制する脳の部位が適切に機能していない可能性が考えられているが、発症の原因はまだ解明されていない。
鹿児島県内の現状を知るため、鹿児島テレビでは自社の「KTSアプリ」でチック症に関するアンケートを実施。257人から回答を得て、そのうち42人が自分自身あるいは家族や知人がチック症だと答えた。症状は「まばたきが多い」「突然声が出る」「咳払いが止まらない」など様々だ。

KTSアプリのアンケートにも切実な声が寄せられた
息子がチック症になったと回答した県内の女性が電話取材に応じてくれた。「ギュッとした瞬きをしているな、目がおかしいなというので気づいた」と語る。
幼稚園の年長の頃にまばたきのチックを発症した子どもは、数年間様子を見た結果、まばたきは減少したものの、肩をすくめるチックの症状が出ることがあるという。
女性は「どこの病院を受診したらいいんだろうとか、ずっと自分1人で悩んでいた」と不安な思いを明かした。
専門家が少ない医療現場

「周りが『わかっているよ』と伝えることが大事」と話す丸山医師
鹿児島大学病院でチック症に関する診断も行う丸山慎介医師は「県内でチックを専門にする方は私が知る限りはない」と現状を話す。その上で「相談先としてはかかりつけ病院や小児神経を専門にしている病院になるかと思う」とアドバイスした。
丸山医師は「チックがあること自体が問題ではない。チックによって自信が持てないとか、自分のことを卑下してしまうような感情が生まれてしまうことはよくないことなので、周りが『わかっているよ』と伝えることが大事」と強調した。


















































































































