フリーペーパー「蛇足通信」 夫婦が手がける読み物が人気 今年はリニューアルも 鹿児島・南九州市
2025年1月29日(水) 18:40
2025年がスタートして1ヵ月が経とうとしています。
2025年の干支、ヘビにまつわる読み物を紹介します。
こちら、鹿児島県南九州市頴娃町にあるギャラリーが発行しているフリーペーパー、蛇足通信です。
蛇足、と聞くとなんだかあまり良くないイメージを持つ人が多いと思いますが、ギャラリーを営む夫婦には特別な思いがありました。
蛇足。
付け加える必要がないもの。余計な行為。中国の故事。
蛇を一番早く描けたものが酒を飲めるという競争で、最も早く描き終えた男が余裕を見せて蛇に足を書き加えたところ、「これは蛇ではない」と争いに負けてしまったというお話です。
悪い意味と捉えられそうな「蛇足」。
しかし、この言葉に魅力を感じて生まれたギャラリーがあります。
その名も、ギャラリー蛇足。
南九州市頴娃町の茶畑に囲まれたのどかな場所にあります。
「こんにちは~」
営むのは漣俊介さん、舞さん夫婦。
俊介さんはグラフィックデザイナー。
舞さんは、フォトグラファーで、海外協力隊としてペルーでも活動してきました。
二人は舞さんの実家がある、ここ南九州市に2021年ギャラリーをオープン。
そこで開催する展覧会の案内をきっかけに生まれたのが、フリーペーパー蛇足通信です。
漣俊介さん
「SNSをしていない人にもギャラリーの情報を届けたいと思い、何かないかなと思ったときに、思いつきで作ってみたというのが最初」
中を覗いてみると・・・
展示の案内はほんの一部。
あとは地元の作家が撮った写真に。
こちらは舞さんのコラム。
「山積みにされた父の衣類の整理整頓にとりかかりました。靴下を床一面に並べてペアを探します。トランプの神経衰弱と同じです。ペアができたのが40数足。片方だけの靴下が49片でした。相方はどこに行ったのでしょう」
クスッと笑えるエピソードですね。
陶芸家のつぶやきもありました。
「陶芸って落としたら割れるんですよね。割れない作品っていいなー」
切実ですね。
フリーペーパーの本来の目的である展示の案内はここ。
あとは全てそれ以外のこと、まさに蛇足です。
広告費を支払えば誰でも自由に参加できるこの冊子。
この日も投稿する人がやってきました。
「レタスとニンジン」
「ありがとうございます。みずみずしい」
自分たちで育てた野菜や惣菜を販売している、久保山晋治さんと綾子さんです。
キャッチコピーは「農ベジタブル農ライフ。」
二人らしいメッセージを込めて、シンプルなデザインにしました。
久保山晋治さん
「紙ってすぐに見返せるじゃないですか」
久保山綾子さん
「紙媒体好きな人ってあんまり悪い人いない気がする。これがいいと思って手にとって、それを見て、イベントに出たときに『名前見た気がする』って声をかけてくれることが多い」
漣さんの遊び心から始まった蛇足通信。
2022年の創刊号から20冊、全ての表紙を俊介さんが手がけました。
新学期には殻を破るひよこを。
コロナ禍のクリスマスはマスクで顔が見えないサンタさんを描きました。
「同性婚」という言葉を耳にする機会が増えたときには、多様性を示すレインボーのひし餅と二人のおひな様を描きました。
2025年からはサイズを大きくしてポスターとしても飾れるようにしました。
ただ読むだけでなく、ちょっとしたおまけをつけるのは、蛇足に楽しみを見いだす漣さんのアイディアです。
漣俊介さん
「(蛇足は)蛇に足を加えて負けてしまったのではなくて、競争社会から抜け出したんじゃないかなと解釈している」
美川愛実アナウンサー
「ちょっと無駄に思えるようなものも必要だということですか?」
漣俊介さん
「そういうものが人生を豊かにすると思うので、そういう気持ちじゃないとダメだなって。ギャラリーのコンセプトにしている」
余分なものはつい省きたくなるもの。
でも、もしかするとそこには面白いことが詰まっているかもしれません。
巳年の2025年は、少しだけ蛇足も楽しんでみませんか。
この蛇足通信は鹿児島市や南九州市など、15カ所以上の場所に設置されています。お散歩がてら見つけてみてください。
2025年の干支、ヘビにまつわる読み物を紹介します。
こちら、鹿児島県南九州市頴娃町にあるギャラリーが発行しているフリーペーパー、蛇足通信です。
蛇足、と聞くとなんだかあまり良くないイメージを持つ人が多いと思いますが、ギャラリーを営む夫婦には特別な思いがありました。
蛇足。
付け加える必要がないもの。余計な行為。中国の故事。
蛇を一番早く描けたものが酒を飲めるという競争で、最も早く描き終えた男が余裕を見せて蛇に足を書き加えたところ、「これは蛇ではない」と争いに負けてしまったというお話です。
悪い意味と捉えられそうな「蛇足」。
しかし、この言葉に魅力を感じて生まれたギャラリーがあります。
その名も、ギャラリー蛇足。
南九州市頴娃町の茶畑に囲まれたのどかな場所にあります。
「こんにちは~」
営むのは漣俊介さん、舞さん夫婦。
俊介さんはグラフィックデザイナー。
舞さんは、フォトグラファーで、海外協力隊としてペルーでも活動してきました。
二人は舞さんの実家がある、ここ南九州市に2021年ギャラリーをオープン。
そこで開催する展覧会の案内をきっかけに生まれたのが、フリーペーパー蛇足通信です。
漣俊介さん
「SNSをしていない人にもギャラリーの情報を届けたいと思い、何かないかなと思ったときに、思いつきで作ってみたというのが最初」
中を覗いてみると・・・
展示の案内はほんの一部。
あとは地元の作家が撮った写真に。
こちらは舞さんのコラム。
「山積みにされた父の衣類の整理整頓にとりかかりました。靴下を床一面に並べてペアを探します。トランプの神経衰弱と同じです。ペアができたのが40数足。片方だけの靴下が49片でした。相方はどこに行ったのでしょう」
クスッと笑えるエピソードですね。
陶芸家のつぶやきもありました。
「陶芸って落としたら割れるんですよね。割れない作品っていいなー」
切実ですね。
フリーペーパーの本来の目的である展示の案内はここ。
あとは全てそれ以外のこと、まさに蛇足です。
広告費を支払えば誰でも自由に参加できるこの冊子。
この日も投稿する人がやってきました。
「レタスとニンジン」
「ありがとうございます。みずみずしい」
自分たちで育てた野菜や惣菜を販売している、久保山晋治さんと綾子さんです。
キャッチコピーは「農ベジタブル農ライフ。」
二人らしいメッセージを込めて、シンプルなデザインにしました。
久保山晋治さん
「紙ってすぐに見返せるじゃないですか」
久保山綾子さん
「紙媒体好きな人ってあんまり悪い人いない気がする。これがいいと思って手にとって、それを見て、イベントに出たときに『名前見た気がする』って声をかけてくれることが多い」
漣さんの遊び心から始まった蛇足通信。
2022年の創刊号から20冊、全ての表紙を俊介さんが手がけました。
新学期には殻を破るひよこを。
コロナ禍のクリスマスはマスクで顔が見えないサンタさんを描きました。
「同性婚」という言葉を耳にする機会が増えたときには、多様性を示すレインボーのひし餅と二人のおひな様を描きました。
2025年からはサイズを大きくしてポスターとしても飾れるようにしました。
ただ読むだけでなく、ちょっとしたおまけをつけるのは、蛇足に楽しみを見いだす漣さんのアイディアです。
漣俊介さん
「(蛇足は)蛇に足を加えて負けてしまったのではなくて、競争社会から抜け出したんじゃないかなと解釈している」
美川愛実アナウンサー
「ちょっと無駄に思えるようなものも必要だということですか?」
漣俊介さん
「そういうものが人生を豊かにすると思うので、そういう気持ちじゃないとダメだなって。ギャラリーのコンセプトにしている」
余分なものはつい省きたくなるもの。
でも、もしかするとそこには面白いことが詰まっているかもしれません。
巳年の2025年は、少しだけ蛇足も楽しんでみませんか。
この蛇足通信は鹿児島市や南九州市など、15カ所以上の場所に設置されています。お散歩がてら見つけてみてください。