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戦後・被爆80年 戦争を生き抜いた『被爆ピアノ』が語りかけること 鹿児島市で演奏会

2025年1月10日(金) 18:30

2025年、日本は戦後80年を迎えます。

節目の年に、10日、鹿児島市でひらかれた演奏会。

平和を願う音を奏でるのは、広島の原爆の記憶を伝える被爆ピアノです。

井上彩香アナウンサー
「あちらのピアノが、80年前広島で被爆したピアノです。どんな音色を響かせるのでしょうか」

1945年8月6日午前8時15分、世界で初めて、広島に原爆が投下されました。

爆心地からわずか3キロの民家で生き抜いたピアノが…

鹿児島にやってきました。

原爆の爆風でついた傷はあの日のまま、今も残っています。

ピアノに張っている217本の線のうち、修理したのはわずか2本。

ほぼ当時の音色のままです。

この被爆ピアノは広島のピアノ工房が所有し、全国各地に貸し出しています。

鹿児島での演奏会は9年ぶりです。

集まった人は、レトロ感や重厚感のある音色に耳を傾けます。

戦後80年となる2025年は、被爆ピアノによるコンサートが現時点で200回予定されているそうです。

聴いた人
「これ(被爆ピアノ)を見るだけでも生きてて良かったなと思います。感動しました」
「こういう機会がある度に自分もしっかり(平和を)考えるきっかけになる」

ひろしま被爆ピアノ管理所有者 矢川ピアノ工房・矢川光則さん
「戦争体験者、被爆者はもう高齢で(戦争を)語り継ぐ人が非常に減少している。被爆ピアノが果たしていく役目はますます大きくなって行くのではないか」

「戦争の歴史や失われた命を決して忘れてはいけない」

戦争を生き抜いたピアノは、私たちにそう語りかけています。

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