平成19年は、日本最後の内戦「西南戦争」から130年。即ち、維新の英傑・西郷隆盛の没後130年に当たる。現在の高校の歴史教科書には、「明治6年の閣議において西郷は征韓論を主張、それでは戦争になると心配した大久保利通や岩倉具視らに阻まれて下野、西南戦争に至った」(山川出版)とされている。
「敬天愛人」の思想、「江戸無血開城」など平和主義者と知られる西郷には、一方で、「征韓論」「西南戦争」など武断主義者の顔も与えられている。すべては「明治6年の政変」から始まった。
実は、西郷は一度も征韓論を主張していない。ロシアの南下策に心を痛めていた西郷は、自ら平和使節として朝鮮に赴き、ロシアに対して日本・朝鮮・中国の東アジア同盟をつくろうとしていた。その西郷の前に大きく立ちはだかったものがいた。長州閥の木戸孝允と伊藤博文、そして、盟友・大久保利通である。
岩倉使節団の一員として欧米外遊から帰国した木戸、大久保、伊藤は、西郷を筆頭とする留守政府の目覚ましい活躍に愕然とした。薩長を中心とした政権を取り戻すべく、この3人に端を発した謀略が仕組まれた。それは、征韓論を巡る対立ではなく、謀略による激しい権力闘争だったのである。
この権力闘争の事実を、明治維新歴史学の蓄積によって解明し、研究者の証言、書簡から垣間見えてくる真実をドラマとドキュメンタリーで映像化する。
企画 : 堂脇 悟
脚本 : 池田太郎
演出 : 千葉行利・井上聡一
ナレーター : 畠中 洋
撮影 : 川田万里
協力 : 国立国会図書館 鹿児島県歴史資料センター黎明館 荘内南洲会 致道館 致道博物館
プロデューサー : 増留三朗・川越保光
制作著作 : KTS鹿児島テレビ
西郷 隆盛……西郷 輝彦
大久保 利通…榎木 孝明
三条 実美……小林 隆
岩倉 具視……阿南 健治
伊藤 博文……畠中 洋
木戸 孝允……佐藤 一平
リポーター …上片平 健
ほか