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ニュース・スポーツ

垂水の漁師たちが"世界に挑む"理由 カンパチ養殖で農水大臣賞、輸出量100トン突破の舞台裏

2026年2月27日(金) 18:39

27日は、輸出に関する取り組みで農林水産大臣賞を受賞した垂水市漁協を特集します。

漁師たちの挑戦です。

桜島の麓の錦江湾にずらりと並ぶ養殖いけす。年間約135万匹を養殖する世界最大級のカンパチの養殖場です。

そんな垂水市漁協に2025年12月、大きなニュースが飛び込んできました。輸出に関する取り組みが見本になる事業者に贈られる「優良事業者表彰」で最高賞の農林水産大臣賞を受賞したのです。

垂水市漁協で魚の養殖が始まったのは昭和40年代のことです。当初はブリを養殖していましたが、1989年に漁師たちをどん底に突き落し後に転換点となる自然災害が発生します。

台風が直撃しブリが全滅してしまったのです。

翌朝、目の当たりにしたのは桜島の溶岩に打ち上がったこわれたいけすでした。

当時を知る関裕次郎さんです。

関裕次郎さん
「もう養殖はできないなと思った。魚が1匹もいない」

失意の中、漁師たちはブリより単価が高く新たな設備投資を必要としないカンパチの養殖に着手します。ここから、「日本一」の歴史が始まったのです。

垂水市漁協が今、力を入れているのが輸出です。人口減少で国内での需要は頭打ちで新しい販路を拡大しようと2012年に始まりました。

スタート時は、約2・8トンだった輸出量は、コロナの影響で一時的に少なくなったもののずっと右肩上がりで2025年の輸出量は初めて100トンを超えました。

当初から中国には輸出は少なく、約9割がアメリカです。垂水のカンパチにはおいしさ以外にも秘密がありました。それは現在、全体の出荷量の約3割を占めるカンパチの完全養殖です。水産資源に限りがある中、全てを人工で完結させる養殖は持続可能な漁業として評価されています。

垂水市漁協では、この完全養殖に15年ほど前から取り組んでいます。

一方、今後の課題は、アメリカで主流のトラウトサーモンに対抗するためのカンパチのサイズアップです。

垂水市漁協・篠原重人組合長
「運輸コストがかからないのではるかに安い形で当たり前にような大きなフィレ(半身)が陳列してあるので、それに近づかないといけないのが現状」

1月。篠原組合長がスーツ姿で誰かを待っていました。

篠原重人組合長
「鈴木農水大臣が今から来られます」

実は、東京での授賞式の際、大臣とこんな約束をしたそうです

篠原組合長
「台風のことをスピーチで話したが、その海をぜひ、見たいと。その漁船に乗せて下さいと言われたので漁船を用意して餌やりの風景を見せようかと」

鈴木大臣は漁船に乗り込み、篠原組合長と今後の輸出について意見を交わしました。

鈴木憲和農水大臣
「台風の時に大変な被害があってゼロから出直してこの輸出できるところまで来ているので、皆さんの気持ちが前に向かって熱いものがあると感じた」

垂水市漁協では、輸出量を5年後に現在の10倍にする目標を立て取り組むことにしています。

垂水市漁協・篠原重人組合長
「EUハサップ(EUの食品衛生基準)で頑張っていきたい。加工場もEU化しないといけない。漁場もEUのものをとらないといけないので至難の業だがトライしていこうかと思う」

垂水のカンパチは冷凍ではなく生の状態で輸出していて、水揚げから最短3日でアメリカの店頭に並ぶそうです。賞味期限を長くするため今後はどれだけ魚を冷やして運ぶかも課題だそうです。

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